ミレニアムラブレターストーリー 恋愛編

MILLENNIUM LOVE LETTER STORY

彼のことは最初、ただの「趣味の仲間」としか思っていませんでした。

初めて会ったのは、「オカリナの会」でのこと。
先生から、新しく入った生徒さんだと紹介されました。

郵便局に勤めていて、真面目そうな青年。
音楽が好きで、オカリナの演奏がとてもうまかった。
でも、彼はオカリナの会で顔を合わせるだけの人でした。

そうして2年が過ぎたあと、 ある日、高松市西植田町にある 「ドングリランド」でイベントがありました。

いつもの教室とは違う、大自然の中での演奏会。
班ごとに分かれて、アスレチックを回ったりもしました。
そこで見た彼の「笑顔」に、思わず心がときめいたんです。

そして森の中、彼の後ろを歩いているときに 「あ、私はこの人と同じ名字になるんだな」という想いが 本当に、唐突に、心の中に湧き上がってきました。

ドングリランドの日を境に、 私たちはお付き合いをはじめました。
当時の私は30歳になったばかり。
結婚を前提としたお付き合いでした。

お互いに旅行が好きで、 小豆島や北海道、フロリダと 色々な場所に行きました。

そして結婚するまでの間、 2 人の「会えない時間」を埋めていたのが「手紙」でした。

彼は、郵便局の配達員。
たくさんの手紙を毎日届けていましたが 手紙を書いたことが一度もなく、 書き慣れないながらも私の想いに応えようと 一生懸命手紙を書いてくれました。

メールでも、LINE でもなく、手紙。
その古風なやり取りは、100通を超えて、 2人の宝物になっていきました。

そうして彼と結婚することになり、 33歳のとき、初めての子どもを授かりました。
それから2年後、そして3年後と3人の子宝に恵まれます。

家事や子育ても手伝ってくれる彼。
わんぱくで、可愛く、元気に育ってくれる子どもたち。
その幸せな環境の中で、私は家庭と仕事を両立していきました。

仕事に復帰したのは、出産の3ヶ月半後。
私にとって、仕事も大切なものでしたが、 忙しい職場だったこともあって、 仕事に追われ、徐々に心に余裕がなくなっていきます。

疲れた私を気づかってくれる彼に、 「ありがとう」の言葉も言えず、 忙しさに振り回されてばかりの日々。

それでも彼は、結婚記念日や誕生日といった 記念日には、結婚前と変わらず 「手紙」を書いてくれました。
私の方からは、子どもが生まれてから 手紙なんて書くことはなかったのに――

彼からの手紙には、こう綴られています。
「キミのことは一番、僕が分かっているから」 その優しい言葉に、涙がこぼれました。
彼は、いつでも私を一番に考えてくれて、 おだやかに、あたたかく、家族を包んでくれる。
その彼の「笑顔」が、私の心を ときめかせてくれたことを思い出しました。

ときにはケンカもしたし、 色々うまくいかないこともあったけれど、 彼と、3人の子どもたち。
この「今」の時間が、これまでで一番幸せ。

それはきっと、何十年、何百年、何千年後も 同じことを想っている確信があります。

「今」が一番幸せ、だと。

生まれ変わっても、また家族でいたい。
彼と、子どもたちと一緒にいたい。

その想いを、千年先も残るラブレターとして 彼に届けることにしました

私から、千年先まで、彼に伝えたい想い。

『ありがとう。今も出会ったころと変わらず、
愛しています』

この想いが、
いつまでも心に刻まれることを願って。

感動した?それ、たぶん加工です。

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